今回は無名関数についてです。オブジェクトのメソッドとおおいに関係があります。
1 無名関数
関数の書式
function 関数の名前(引数){ 処理 return 戻り値; }
無名関数の書式
const 変数の名前 = function(引数){
関数の処理
}
上では関数を定義して処理を記述しているのに対し、下では変数に関数を代入しているのがわかります。
実際の例を見ていきましょう。
HTML(一部)
<script>
let a = 5;
let b = 4;
const f = function(x, y){
return x + y;
}
let c = f(a, b);
document.write("<p>" + c + "</p>");
</script>
ブラウザ
<script> 以下の1行目及び2行目で、変数 a 変数 b にそれぞれ数値を代入しています。
次に3行目から5行目において無名関数を定義しています。つまり、引数 x と引数 y とを足すという関数が変数 f に代入されるというものです。
そして6行目では変数 f の引数として変数 a と変数 b とが指定されることにより、無名関数が呼び出され、結果的に変数 c には計算結果が代入されることになります。
最後に7行目で変数 c の値を出力しています。
さて、この関数の定義を変更してみましょう。
HTML(一部)
<script>
let a = 5;
let b = 4;
const f = function(x, y){
return x * y;
}
let c = f(a, b);
document.write("<p>" + c + "</p>");
</script>
ブラウザ
足し算を掛け算に変更してみました。
2 コールバック関数
無名関数はどういった場面で使われるのでしょうか。
その前にコールバック関数というものを紹介します。
HTML(一部)
<script>
function f1(a) {
a();
document.write("<p>f1に記述</p>");
}
function f2() {
document.write("<p>f2に記述</p>");
}
f1(f2);
</script>
ブラウザ
ここでは f2( ) がコールバック関数となります。
<script> 以下の8行目をみると、f1 の引数として f2 が指定されています。
1行目には f1 が定義されており、変数 a を引数として f1 が実行されることになります。
すると、変数 a の中身は関数 f2 ですので、f2 に定義された「f2 に記述」が出力されることになるのです。
その後、f1 に直接記載のある「f1 に記述」が出力されます。
このようにコールバック関数とは、ほかの関数の引数として利用できるものなのです。
3 無名関数を利用する
またコールバック関数はメソッドの引数としても利用ができます。
多くの書籍で紹介されているのは forEach メソッドです。
このメソッドは、配列の要素を順にコールバック関数の引数として渡すものであり、その前提としてコールバック関数を引数として受け取るというものです。
書式
配列.forEach(コールバック関数の処理)
HTML(一部)
<ul>
<script>
let w = ["コール","バック","関数"]
w.forEach(function(a){
document.write("<li>" + a + "</li>");
});
</script>
</ul>
ブラウザ
まず、配列 w からひとつずつ要素が取り出され、引数 a に「コール」が代入され、処理が実行されます。
それが配列の要素の数だけ繰り返されることになります。
4 次回
さて次回はとても重要な考え方である「オブジェクト」を見ていきます。
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