JavaScript で配列 3

 多次元配列のデータを使って、いわゆる表の形でデータを表示してみます。


1 多次元配列の要素をテーブル形式で表示

 まずは HTML におけるテーブルの書式を再確認します。

書式

 表の「行」にあたる部分は、先頭に <tr>、末尾に </tr> を置いて囲う必要があるのでしたね。
 また、border = “1” の部分は、表の線の太さを指示しています。

 まず全文を示します。

多次元配列の要素をテーブル形式で表示
〔順位〕市・区人口(万人)都道府県

 生データよりも格段に見やすい表ができあがりました。
 しかも、順位が付いています。(あらかじめ人口が多い順番にデータが並んでいます。)
 項目名の部分はそのまま HTML 形式のままですが、データの部分は繰り返し処理を使っています。
 このコードを上から順にみていきましょう。

 その前に HTML の <head> 内のコードを説明しておきます。

 この部分は表のデータを中央ぞろえで表示するという指示です。


2 表の項目の部分

 まずは表の項目名を表示するためのコードです。

多次元配列の要素をテーブル形式で表示
〔順位〕市・区人口(万人)都道府県

 ここは HTML のコードそのままですね。


3 <script> の部分(前半)

 次に、<script> の開始から、配列の部分です。

 ここも問題ないかと思います。


4 <script> の部分(後半)

 次に、繰り返し処理の部分です。

 相当複雑そうに見えます。
 繰り返し処理のなかに、さらに 繰り返し処理 が記述されている構造になっています。
 そこで、この内部の for 文は後から検討することにして、まずは一つ目の for 文以下に記述されている document.write のみについてみていきます。

 見やすくしてみました。

 document.write が3つあります。

 まず、一つ目の document.write と三つ目の document.write に注目します。

 これらは最初に <tr> を出力し、最後に </tr> を出力するというものです。
 それぞれの出力を、変数 i が「0」から ppl.length より小さい間、繰り返し実行することになります。

 表の形式でいうと、「行」を示すためのコードが出力されたことになります。
 なお、わかりやすいように、改行・インデントは手入力で追加しています。

 次に、二つ目の document.write です。

 write メソッドの対象は、① <td>〔 ② i + 1 ③ 〕</td> の部分に分けて考えることができます。
 まず、②の部分は変数 i に1を加算した数字が入りますので、1回目のループでは「1」が入りますね。
 したがって、二つ目の document.write により、1回目のループでは <td>〔1〕</td> というコードが出力されます。

 この <td>・・・</td> は <tr> と </tr> との間にありますので、この位置にコードが出力されます。
 あとは、その繰り返しですね。
 なお、ここでもわかりやすいように、改行・インデントは手入力で追加しています。

 さて、ここまで説明したコードではどのような結果になるでしょうか。

多次元配列の要素をテーブル形式で表示
〔順位〕市・区人口(万人)都道府県

 変数 ppl に入力した要素(配列)の部分以外の部分について表ができていますね。
 そして市・区、人口、都道府県の部分は for 文の内部にある for 文で出力されることが容易に予想できますね。

 それでは、その部分を生成するコードをみていきましょう。

 参照しやすいように、変数 ppl の0番目の配列を表示しています。
 変数 j が「0」でこのループがスタートし、j++ とあることから、「1」ずつ変数 j の値が増えていきます。(増分処理)
 そして、変数 j の値が ppl[i].length よりも小さいときのみループが続いていきます。

 1回目は ppl[0] ですので、その内容は「”特別区”, 979, “東京都”」となります。
 よって、この要素の数(配列の長さ)は「3」です。
 そして、ppl[0] length オブジェクトで得られた値を条件式にしていますので、判定される条件式は j < 3 ということになります。
 つまり、このループは結果的に「0」から「2」まで、合計3回繰り返されることになります。

 次に繰り返される処理についてみていきましょう。

 <td> と </td> の部分は値が入る「場所」のようなものを設定するタグです。
 これは先ほどの〔順位〕と同じですね。
 そして、ppl[i][j] の部分は、変数 i と変数 j という添え字が2つ記述されています。
 これは前回みたとおり、番目の配列のうち、番目の要素を指定するのでしたね。

 ということは、変数 i が「0」変数 j が「0」のときは、要素「特別区」が取り出されることになります。
 そして、さらに変数 j が「1」のときは「979」、「2」のときは「東京都」が取り出され、それぞれ document.write により出力されることになり、合計3回で変数 i が「0」のときのループが終了します。

 したがって、外側のループ1回目の時点で出力されるコードは下記のようになります。

 内側のループ処理が、<tr> の生成、<td>〔1〕</td> の生成の次にあるのでこのようになります。

 外側のループ処理の1回目、つまり変数 i が「0」のみの処理ではどのように出力されるでしょうか。

多次元配列の要素をテーブル形式で表示
〔順位〕市・区人口(万人)都道府県

 表の内容の1行目のみが出力されています。

 そして、ループ処理の2回目、つまり変数 i が「1」のときも同様に処理されます。

多次元配列の要素をテーブル形式で表示
〔順位〕市・区人口(万人)都道府県

 表の内容の2行目までが出力されています。

 この後、変数 i が「2」から「9」まで繰り返され、冒頭にあった表が出力されることになります。


5 次回

 少し複雑でしたね。さて次回は、復習を兼ねて今回の処理を少し簡単に記述する方法を勉強します。

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